予期せぬ出来事というのは、誠に多い。たとえば2002年ノーベル化学賞受賞を受賞した田中耕一さん。
発見については、実験の最中に「間違えて」グリセロールとコバルトを混ぜてしまい、「どうせ捨てるのも何だし」と言って実験したところ見事に成功したと言うエピソードはあまりにも有名です。
だから失敗なんて恐れることはありません。
むしろその失敗が何を生み出すのか?生み出せるのか?を考えていた方が良いように思います。
「20世紀における偉大な発見」と言われるペニシリンの発見もまた、実験の失敗によって発見されました。
ブドウ球菌という細菌の研究をしていたアレクサンダー・フレミングは、細菌が繁殖している培養器の中にアオカビが発生してしまったのです。
これでは実験に使えません。
だからその培養器を捨てようとしました。
実験には純粋なものしか使えませんから。
しかしよくよく見るとアオカビの周囲だけに細菌が繁殖していないことに気がついたのです。
そして不思議なので顕微鏡で詳細に調べてみたところ,このアオカビが分泌する液体が細菌を溶かしているということに気づいたわけです。
そしてこの研究に費やすこと10年。
とうとうペニシリンの発見に至りました。
そしてこのペニシリンは第二次世界大戦中に多くの負傷兵や戦傷者を感染症から救いました。
「失敗は成功の母」だと分かっていれば、どんな失敗も怖くなくなりますね。